●｢川越急行鉄道の歴史｣について
｢川越急行鉄道｣は、現実には西武鉄道と東武東上線という２つの大手私鉄しかない埼玉西部地域(川越・所沢を中心とした入間地方、東松山を中心にした比企地方と、和光・新座・朝霞・志木の４市によるエリア)において、｢もしこれら以外に別の大手私鉄が存在したら…｣という個人的な空想から始まったものです。
埼玉西部をこの架空鉄道の主な舞台にすると言うことを考えたとき、江戸時代以前からの城下町であり、埼玉県下で最初に市制を施行するなど古くから発展し、現在でも埼玉県西部の中心都市(現在では所沢もそれに含まれるかもしれませんが)である川越の存在は、どうしても無視できないものがありました。川越を最初ターミナルに置いたのはそのためです。
川越から路線を展開しようとした時に、路線を敷く方向として松山・熊谷方面を選択したのは、(実在の)既存の鉄道との競合を避けるためでした。現在の鉄道地図と照らし合わせると、川越〜松山間では東上線と競合することになってしまいます。しかし、東上線は元々渋川方面への延伸が考えられていたのと、武州松山(現在の東松山)まで開通したのが１９２３年(大正１２年)と遅かったため、それ以前の開業という設定ならば共存は可能と考えて現在の設定にしています。
なお東上線のルートについては、坂戸から松山を経由して小川町に至る現ルート以外に、坂戸から越生を経由して小川町に至るルートが検討されていたようです。
路線網に関して言えば、新宿〜川越〜熊谷間の松山線(本線)と、上伊草〜鴻巣間の鴻巣線は比較的構想初期から固まっていました。ただもう一つの支線の設定には迷いました。結果的に採用した菖蒲方面の路線の他に、１９８３年(昭和５８年)に廃止された東武熊谷線(熊谷〜妻沼間)を川越急行が譲り受けたという設定も考えましたが、結局はその案は採用しませんでした。しかし現在の菖蒲線の設定も暫定的なもので、大正初期に鴻巣〜久喜間の軽便鉄道敷設免許が実在したのを参考に、今後ルート・歴史設定の変更をする予定です。
※2003.01.24追記
鴻巣以東の路線設定変更で、ルート変更と共に久喜〜鴻巣間は｢埼玉鉄道｣が建設としたと言う設定に変更しましたが、この｢埼玉鉄道｣は、大正初期に実際にあった鉄道建設計画です。菖蒲町、騎西町の人が中心になって、この両町と久喜、鴻巣を結ぶという建設動機も、当時の書類に残されていた、出資者の構成や、久喜から菖蒲、騎西を経て鴻巣へ至るルートなどから想像してみました。
本社を菖蒲町内においたということも、史実の計画通りです。ちなみに発起人も菖蒲町の人間でした。
行田市への路線延長は、実は県名発祥の地と言われる行田市埼玉(さきたま)地区(旧北埼玉郡埼玉村)を通り、町の中心部から東京方面に直結する鉄道が無い行田市(旧北埼玉郡忍町)へ鉄道を敷いてみたかったというのが本音ですが、当初は鴻巣から北上するルートにする予定でした。ただ設定をどうするかで今ひとつまとめきれませんでした。
そこで、埼玉鉄道と一部地域的に競合する武州鉄道第２期線の免許線の一部と言う設定にして、鴻巣からは遠回りになるものの、騎西〜行田市間のルートとしました。将来的には、武州鉄道を合併して新たな東京方面への放射状路線の獲得を目指していた・・・という｢構想｣への含みを持たせていたとすれば、そのルートでも不自然ではないかなと考えています。(追記部分ここまで)
地下鉄直通関連の設定も当初とは変更しています。最初は、埼玉西部地区を走る西武池袋線や東武東上線が営団有楽町線と相互直通運転を行っているのを参考にして、同じく営団有楽町線に乗り入れていましたが、松山線のルートとの整合性や、乗り入れ地点が新宿からやや離れすぎていること、乗り入れ側の片方が３つ(東武、西武、川急)に分岐してしまうなどの問題点もあったので、営団東西線直通に変更しています。
秩父鉄道直通列車の設定は、実用性を考えるとあまり意味が無いかも知れませんが、｢走っていたら面白そうだ｣という理由で設けました。ただ、東京〜秩父方面は西武秩父線周りのルートの方が距離が短く、現実にもそのルートが主流になっていると言うことを踏まえて、秩父・長瀞方面の行楽輸送目的ではなく、通勤通学時間帯に寄居までの片乗り入れと言う形にしました。ただ、かつて(特に１９６９年の西武秩父線開業以前)は東上線周りのルートも良く使われたようで、秩父鉄道直通の行楽特急なども運転されていました。
川急も古くから熊谷で秩父鉄道とはレールがつながっていたと言う設定なので、東上線の秩父鉄道直通列車の変遷を参考に、かつては川急からも行楽列車が直通運転していたという設定にしました。
※2003.04.22追記
定期列車での秩父鉄道乗り入れは、２０００年(平成１２年)で終了し、現在は臨時・団体列車以外での乗り入れは行われていないと言うように設定を変更しました。
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