松山線の車両

300系(導入年:1998年)

松山線は、併用軌道区間や急カーブ等が途中に介在するために、走行する車両もそれに対応していなければなりません。 そのため吉見線とは異なり、他社から適当な車両を譲り受けて車両の近代化を図ることができず、1951年の松山線開業当時に導入された 100系が、1990年代後半になっても残っていました。

そうした老朽車両を取り替えると共に、車両の冷房化を図って乗客サービスの向上も図るために新造されたのが、300系です。 300系は完全な新造車ではなく、JRから譲り受けた103系通勤形電車を改造して製造されています。 しかし、300系は15m車であるのに対して、種車である103系は20m車であるため、車体の短縮など改造はかなり大規模なものとなりました。

300系の車体は15m3ドアです。これは、種車の車体を補強などの改造の上短縮流用したためで、 それまで使用していた100・200系の2ドアとは異なります。 1998年2〜3月に落成した1次車(301〜305、321〜325)は、車体の外観も大幅に手が加えられ、張り上げ屋根化や扉間窓の大型1枚ガラス化等が行われ、 外観からはほとんど種車の面影はありません。しかし、同じ年の11月に落成した2次車(306〜312,326〜332)では、工期の短縮と改造費用の圧縮のため、張り上げ屋根化・大型窓化は省略され、側面などに種車の面影を残しています。

性能は、起動加速度3.3km/h/s、最高速度105km/hです。電装品も多くは103系からの流用ですが、制御装置は新製されて界磁添加励磁制御化されています。 それに伴いブレーキ方式も変更され、回生・発電ブレーキ併用抑速ブレーキ付き電気指令式ブレーキ化されました。回生ブレーキが失効した時には 発電ブレーキに切り替わるようになっているほか、4000系とも併結できるように、ブレーキ読み替え装置を搭載しています。(4090系とはそのまま併結可能)

電動車ユニット単独の2両編成で、12編成24両が滑川検車区に所属しています。全編成がワンマン運転に対応しています。


 1次車


 2次車

■編成表

←吉見・熊谷
300(Mc)−320(M'c)
301−321
302−322
303−323
304−324
305−325
306−326
307−327
308−328
309−329
310−330
311−331
312−332