●本庄鉄道の車両
 本庄鉄道で走る車両には、昔はさまざまな車種・形式の物がありましたが、現在は貨物列車の廃止や車両近代化によって、すべて3000型電車1種に統一されています。


(1)現在の車両・3000型電車



 現在本庄鉄道で使用される3000型電車は、1993年から1996年にかけて西武701系電車を改造の上譲り受けたもので、この車両の導入により従来の車両はすべて淘汰され、全車両が冷房装備のカルダン駆動車になりました。

 本庄鉄道入線時の改造点としては、西武時代4両編成だったのを、先頭車の先頭部を中間電動車に接合して2両編成とした他、塗装変更、本庄鉄道仕様の保安装置取り付け、ワンマン運転対応化などがあります。また、踏切事故対策としてスカートの取り付けも行っています。

 現在は2両編成7本14両が在籍しています。


〇編成表



(2)過去の車両

●2000系電車



 1970年代までは自社発注車や元旧型国電など雑多な車両が使われていた本庄鉄道でしたが、1980年代に入って車両近代化が行われました。その時に導入されたのが2000系電車です。

 2000系電車は、1981年から1984年にかけて西武鉄道クモハ451形とクハ1601形を譲り受けたもので、小幅な改造の上入線しました。なお、西武451系はクハが少なかったため、本庄鉄道には同時期に冷房改造併施による編成替えで余剰廃車になった、601系のクハと編成を組んでやってきました。

 しかし、この車両は冷房が無く、また使用機器類も古い物だったため、老朽化もあって、3000型電車導入が終わった1996年までに全車廃車されました。


●本庄電気軌道1型



 1915年の本庄電気軌道開業と共に導入された、梅鉢鉄工所製4輪単車です。当初は電動客車の1・2と、付随客車の3が導入されましたが、1921年に電動客車の5が増備されました。

 後にボギー車が登場してそれに置き換えられたため、1928年に全車姿を消しました。


●本庄電気軌道20型



 高速化・輸送力増強を目的に、1927年に導入された半鋼製ボギー車です。ボギー化にともない車体が大型化され、車体幅・長さとも増大した他、1型と違い、屋根がシングルルーフになったのが外観上の特徴です。

 21〜23の3両が造られ、児玉線昇圧後は電装を解除してTc化されて全線で使われました。1970年ごろまでに廃車されています。